非居住者の控除 取れる控除は3つだけ
非居住者が取れる控除
ここは幸い、私の専門分野に近いので、比較的自信を持って説明できます。
日本の確定申告では、様々な「控除」が取れる可能性があります。ただし、我々駐在員のように「非居住者」に該当する場合は、取れる控除が「雑損控除」「寄付金控除」「基礎控除」の3つだけになります。
基礎控除を有効活用
おそらく、ほとんどの方は「基礎控除」しか取れません。これは、誰でも使える38万円の控除枠です。ずっとサラリーマンだとほとんど意識することがありません。
ですが、「103万円の壁」という言葉なら聞いたことがあると思います。これは、パート・アルバイトの人が所得税を払わなくてよく、家族の税扶養*1に入れる上限年収のことです*2。これは雇われ人が受けられる「給与控除」とこの基礎控除との合計額なのです。
38万円(基礎控除)+65万円(給与控除)=103万円 ということです。
この基礎控除は、日本で所得が無いと持て余してしまいます。もちろん翌年に繰り越したりなんてできません。ですので、可能であれば、あえて日本で所得を発生させて*3基礎控除を有効活用するが良いでしょう。
非居住者が取れない控除
この他、本来であれば取りたくてしょうがない「社会保険料控除」「扶養控除」「配偶者控除」は使えません。ただし、これらは米国確定申告で同様の控除を取ることができますので、そこは諦めましょう。
問題は「医療費控除」と「外国税控除」です。これらはどちらで取るかを周到に考えてやらないと、損をするおそれがあります。
それぞれ長くなるので別途ポストします。